俺様の熟した恋の実~10years~
靴箱に寄りかかりながら、オレンジ色が増してく夕日を見つめる。
すると、足元に影が伸びた。
「羽音……?」
「あっ、涼雅…。やっと来た…」
「先帰ってなかったのかよ…」
「うん。約束してたから」
ビックリして少し動揺してるのかな?
約束は絶対に守るし、来てくれるって思ってたから。
「ほんと…ごめん。テストの追試いきなり呼ばれて…ケータイ取られて。それから…」
「そんな焦んないでよ。涼雅らしくない!」
あたしが笑う。
でも、気づけば涼雅の腕の中。
なんだ……
いっつも意地悪だから気付かなかったけど、ドキドキしてくれてる。
心臓の音が早い。
「バカ…。マジで好き。責任取れ」
「あたしも…好き。責任取ってよね!」
「上等だ。離してやんねぇから覚悟決めてから来い」
先に歩いてく涼雅のすっかり男の子らしい背中。
その背中に向かってあたしは抱きつく。
今日が付き合った記念日。