俺様の熟した恋の実~10years~
ネコみたいに擦り寄ってくる。
暑いけど、羽音だからいい。
「そろそろ帰るか」
「もう帰るの…?まだいようよ」
「そんなこと言ってたら襲うけどいい?」
「ごっ、ごめんなさい!ほら!早く帰ろ!」
大切すぎて壊したくねーから逆に、お前なんて襲えるわけないし。
学校を出ると、夕日が俺達を照らしてさらに暑い。
さりげなーく手を繋ぐと小さい羽音の手が、握り返してくれた。
「コンビニ寄るか」
「うん!あたしアイスねっ♪」
「買ってやる何て一言も言ってねーよ!」
「涼雅は優しいから買ってくれるもん!」
そんなこと言うのはズルイ。
羽音と付き合ってから俺の弱味が増えた気がする。
なんで俺、こんなに羽音のこと好きなんだろ。
そんくらいすっげー好き。