俺様の熟した恋の実~10years~
結局、羽音にイチゴアイスを買ってやる。
餌付け完了!
「美味しい♪ありがとう、涼雅!」
「いーえ。アイスぐらいいつでも買ってやる」
「幼稚園時からずっと涼雅は優しいね。だから女の子からモテてたんだ」
「でも、ほんとに好きなヤツは気づいてくれなかったけど」
「えっ!?好きな子いたの?」
「……この鈍感女!」
一気に顔を真っ赤にして俺の手をぎゅうっと握る。
ずっと好きだったのに気づいてくれなかったのお前。
でも、今はこんな近くにいるから満足だ。
「……もう、家着いちゃう…」
「そーだな」
「あたしの家遠かったらよかったのに。ねぇ?」
「…遠回りして帰るか?」
「うん!」
自分から言えばいいのに。
マンションの周りを一周する感じで遠回り。
羽音から頼まれることなら、何だって迷惑に感じねー。