俺様の熟した恋の実~10years~



二人での帰り道でも思い出せないまま。


羽音は若干拗ねたまま。


手を繋いでても、ぴったりくっつかないで距離感がある。


羽音の我慢がいつまで続くかなぁ~…。


「まだ意地はってんの?」

「意地はってない……」

「くっつきたいなら、くっつけば?」

「くっつかないよ!」

「あっそ」


珍しく意地っ張りだな、このヤロー……。


なんでずっとへこんで拗ねてんだよ。


俺が折れるしかねーじゃん。


「……今日、何の日なの…マジで」

「ほんとに…分かんない?」

「ん。分かんない」

「…二人が付き合って1週間記念日!」


俺を見上げて寂しそうな顔で言った。


< 45 / 310 >

この作品をシェア

pagetop