俺様の熟した恋の実~10years~



ママも隣でアルバムを見る中、あたしはページをめくってく。


「お誕生会の写真なんて懐かしいわねぇ♪」

「だよね~!……そいえば涼雅って…」


月ごとに別れてる写真を見ると8月のところに涼雅が!


涼雅が持つ誕生日カードには8月21日と書かれてる。


21日とかもうすぐじゃん!!


「ママ!あたし部屋行ってくる!」

「ちよっと~いきなりどうしたのよ!」

「大切なことを思い出したの!」

「羽音ってほんとに嘘つくのがヘタねっ」


呆れながら笑うママを後ろに、あたしは部屋へ。

ケータイ片手に電話帳から探すのは涼雅。


通話のボタンが押せないのはあたしの勇気のなさ。


話したいことは決まってる……


よしっ!


呼び出し音のあとに、すぐ涼雅に繋がった。


『……羽音?』

「あっ!り、涼雅!あのねっ……その~」

『羽音から電話とか珍しい。なんかあった?』

「えっと~………」


思いの外、涼雅優しいね……。


また意地悪なこと言ってくるのかと思ってたら……。


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