俺様の熟した恋の実~10years~
生意気な妹に協力してもらって、どうにか部屋は片付いた。
あとは、羽音を駅まで迎えに行くと……。
「お兄ちゃん!あたしも行ってあげよっか?」
「ヤダ!お前来たら絶対、なんかねだられるから勘弁」
「バレちゃったかぁ~……。じゃあ、プリン買って来てほしいな」
「買わねーよ。自分で買いに行け」
「部屋片付けてあげたの誰?」
なぜか分かんねぇけど、家の中ではスズと母さんの権力が圧倒的。
そのおかげで肩身狭い俺と親父。
蒸し暑い中、コンビニでプリンを買って駅に直行。
「涼雅~!久しぶりっ!あ、誕生日おめでとう♪」
「まさか羽音が誕生日覚えてるなんてなっ」
「ううん!卒園アルバム見て思い出した!」
「だろうな。羽音らしいわ!」
「違うよ!8月って覚えてたしー!」
羽音と手繋いで行く俺んち。
制服じゃなくて、私服でワンピース着てる羽音がかわいい。