俺様の熟した恋の実~10years~
保健室で先生に手当てをしてもらってる間も、ずっと隣にいてくれた。
おかげさまであたしの両膝は、絆創膏とか包帯だらけ。
最悪だよ、もう!
保健室から出るとまた一緒にグランドへ着いてきてくれる。
「あの……さっきはありがとう!本当に嬉しかったし…」
「まぁ…陰湿なことしかできない可哀想な人達よ。気にしなきゃいい」
「ん、そうだよね!あっ!そうだ……クラスと名前は…?」
「A組の北岡雪花(Kitaoka Setuka)。分からないかも、ね?」
隣のクラスだ……。
でも聞いたこともないし見たこともない。
うちの学校にこんな美人さんがいたなんて!
「雪花ちゃんか……カッコイイね。強いし」
「強くなんかない。…一人で戻れる?」
「うん、ありがとう。あっ、あたしの名前は……!」
「羽音ちゃん、だっけ?じゃっ、またね」
「えっ!ちょ、なんで………」
あたしの名前知ってるんだろ。
あ、そっか……。
それだけあたしが噂話しで有名になってるのかもだよね……。