俺様の熟した恋の実~10years~
手を繋いで帰ってると、ふと涼雅の視線が下を向いていた。
「お前……そのケガなしたの?」
「えっ、いやっ!自分で転んじゃって!」
「そんなに傷付けるとか、ドジにも程があるだろ」
「あたし運動苦手だからさっ…。それに足の蹴りあいだし!」
どう説明しても納得してくれない涼雅。
お願いだから、これ以上聞かないで……!
「誰にやられた?俺に正直に話せ…」
「……E組の女の子とか…。でも大丈夫だよ!事故だからっ」
「アイツらかよ……たちわりぃ。明日にでも仕返ししてやるか」
「やっ、やめてよ!」
「もちろん羽音も一緒に仕返しするんだぜ?」
あたしも一緒に!?
心配してくれるのは嬉しいけど……
その意地悪そうな笑いが一番怖い!