俺様の熟した恋の実~10years~



手を繋いで帰ってると、ふと涼雅の視線が下を向いていた。


「お前……そのケガなしたの?」

「えっ、いやっ!自分で転んじゃって!」

「そんなに傷付けるとか、ドジにも程があるだろ」

「あたし運動苦手だからさっ…。それに足の蹴りあいだし!」


どう説明しても納得してくれない涼雅。


お願いだから、これ以上聞かないで……!



「誰にやられた?俺に正直に話せ…」

「……E組の女の子とか…。でも大丈夫だよ!事故だからっ」

「アイツらかよ……たちわりぃ。明日にでも仕返ししてやるか」

「やっ、やめてよ!」

「もちろん羽音も一緒に仕返しするんだぜ?」


あたしも一緒に!?


心配してくれるのは嬉しいけど……


その意地悪そうな笑いが一番怖い!


< 70 / 310 >

この作品をシェア

pagetop