俺様の熟した恋の実~10years~
羽音が苦しそうにしてるから唇を離す。
念のため言葉でも言っておこう。
「俺のだから傷モノにすんな」
そのまま羽音の手を引っ張って保健室に連れてく。
保健の先生は職員室か……
せめて、ごめんの意味を込めて手当てしてやろ…。
「涼雅……なんであんな…不意討ちなことしたの?」
「ヤダった?」
「ううん…。守ってくれた気がした」
「ふーん……」
冷たく返事しながらも、傷の消毒して手当て完了。
羽音が座る長椅子の隣に座って小さい白い手を握る。
「気付いてやれなくてごめんな……。絶対守るから…」
「そんなっ、大丈夫だよ!」
「これからは、何でも俺に言うこと。隠し事は禁止な。約束」
「うん……。守ってもらうねっ、指切りしよ」
指切りをして約束した。
もう絶対に羽音にツライ思いさせねぇから。
だから俺がずっと側で守ってやる。