俺様の熟した恋の実~10years~
あたしは教科書とにらめっこでノートに計算を書き写す。
勉強は苦手部類じゃないから、人並み以上にはできる自信ある!
「なーんかさ、やる気とか出なくない?」
「やる気?……あたしは、テスト終わったらのこと考えてやる気出してるね」
「ふーん……。羽音、賭けしていい?」
「賭け?どんなこと?」
あたしは首を傾げて聞く。
ぐいっと涼雅は身を乗り出して、あたしの耳元で囁いた。
「50番以内入ったら………キス以上のことさせて?」
「へ、へっ!?え、嘘でしょ!」
「言っとくけど俺本気だから。これで、やる気出るんだけどなぁ~」
既に勝ち誇った顔であたしを見つめる。
で、でも……これでやる気出るなら…!
「分かった。やる気出してくれるならね!」
「よしっ!成立。取り消しは通用しねぇから」
うちの学年は300人いるから、その中の50番以内はかなりすごい。
あたしでも最高15位だもん。