Secretな関係




「秋…祭り?」


少し小さなポスターだけど、日付は今日。


「秋祭りなんてあるんだ!」


「知らなかったのか」


「知らなかったよ!えっ、夏祭りみたいに花火とかあるの?」


頭の中で秋祭りの様子を浮かべる。

屋台がずらーっと並んで居て花火があがる。


「ねぇよ」


今思い浮かべた楽しそうな風景が崩れる。



「無いの?!」


「屋台があるくらいだった気がする」


「そうなんだー…」


「行きたいとか思ったんだ?」


「んー、行ってみたいと思ったけど…今日は水族館でしょ?」


「…そうだな…じゃあ…」


何故か言葉を詰まらせる裕也。


「じゃあ?」


「なんでもない!行くぞ!」


そう言って手首を掴みぐんぐんと進む。


何言おうとしてたんだろう?

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