Secretな関係




「わぁーー!」

大きな水槽を前に、小さな子のようにはしゃぐ私。


「すっごいね!」


「お前…もっと他にあるだろ…語彙力なさすぎ…」


そう笑いながら言われる。


「う、うるさいなぁ」


「たっくさんお魚さんが泳いでるね〜」


そう王子様スマイルで私に言う。


「もう!裕也のバーカ」


そう言いながら、横目で睨みつける。

薄暗い中、目の前の水槽の光で照らされる裕也の顔がなんだか少し色っぽく見えた。


かっこいい…だなんて思っている私がいる。


「…かっこいいなぁ」


「ん?」


「えっ?なんでもない!」


もしかして、声に出ちゃってた?


「あれ、気のせいか…かっこいいとか聞こえた気がするんだけど」


「きっ気のせいだと思うなぁ」


と、明後日の方向を見る。


「そうか。気のせいか」


「そう!気のせい!あ、もっもうすぐショーが始まるみたい!見に行こう」


そうパンフレットを握りしめ前に進む。

話題を変えるのに必死だ。


「ほら」


裕也が私に手を差し出しながらそう言う。


「え?」


「え?じゃねーよ」


そう言いながら、私の手を掴み歩き始める。
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