Secretな関係




手を繋ぐのもデートだって初めての私にとってこれが当たり前のことなのか…なんだかよく分からなくなってきた。


ショーを見ている間も繋がれた手は離れなかった。

離すタイミングがわからなかったの方が正しいのだけれど。



ショーが終わり、その場を離れようとすると、出口の付近に一人男の子が立っていた。

辺りをみてもその子の両親らしき人はいない。


その男の子は、四、五才くらいに見えた。


どうしようかと悩んでいると、男の子は泣き出してしまった。



「ママー!」


ちょっと見てくるねと裕也に伝え男の子の元へ近づく。



「僕どうしたのかな?ママとはぐれちゃった?」


男の子の目線に合わせるようにその場にしゃがみ込む。


「うん」


「そっかあ…大丈夫だからね!お姉ちゃんと一緒にママ探そっか!」

ね?と、男の子の涙をハンカチで押さえながらそう聞く。


いつの間にか近くに来ていた裕也に

「ねぇ、迷子センターにいった方が早いのかな?」

そう聞くと、


「まぁ、そうだな」


とそう言われのでまずは迷子センターに向かうことにした。
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