Secretな関係
「お名前は?」
「ゆういち」
私がそうきくと、小さな声で答えてくれた。
やっぱり、心配だよね。
何か、和らげてあげることをしたいんだけど…そんなことを考えながら、ゆういちくんを見ていると、ゆういちくんの視線が一つのものから離れずにいた。
「よし、じゃあゆういちくん!このお兄ちゃんに肩車してもらう?」
「なんで、俺が…」
「いいの?!」
お父さんに肩車をしてもらっている子をずっと見ていたから、してもらいたいのかと思い、提案してみると、目をキラキラさせてそう言った。
「いいよ〜?お兄ちゃん背が高いからね、ちょっとだけ怖いかもよ〜」
そう言いながら、ゆういちくんを裕也の肩に乗せてあげる。
「んー、じゃあ、ここからお母さん探せ」
「わかった!」
少し嫌がっていた裕也も、そう言ってくれた。