Secretな関係
文化祭 2
「おはよー」
裕也とお揃いのストラップをつけた鞄で教室に入る。
「おはよう!」
「おはよう」
朝から、二人でラブラブな春奈としゅんちゃんがそう返事をしてくれる。
「朝からお熱いですなぁ」
そう茶化しながら、鞄を席に置く。
「そのキーホルダー可愛い!」
「でしょー?あ、お土産あるよ!」
二人にお土産を渡し、根掘り葉掘り水族館でのことを聞かれる。
「あれ?先輩とは付き合ってるんだっけ?」
大体のことを話し、楽しかったと伝えると、そうズバッとしゅんちゃんに聞かれた。
「う…んっとー、いいえ」
「お前さ、もうそろそろ…どうなの?」
「どうなの…とは?」
「好き…なんじゃねーの?」
好き…だけど…
「タイミングというか…やっぱりまだ…」
「これは…さ、俺がどうこう言えるものじゃないけどさ…あんまり待たせるのは良くないと思うぜ?」
「分かるよ?それは分かるんだけど…」
少し暗い空気が流れる。
「あれだよね!ちゃんとはっきりさせてからが良いんだよね?」
そう春奈が助け舟を出してくれる。
「うん…でも、なるべく早くする!」
「だね!」
深く考えないように…そうは言っても私にとっては、許嫁なのだから、行く行くは結婚という文字が浮かんでしまう。
それが、どうも引っかかってしまう。
そんな大切なことがかかっているのに、もっと本気で好きだと言えるようにならないと…