Secretな関係
「ごめんなさい!…花火は一緒に見られない…」
そう言って頭を下げる。
「そっか…」
「ごめん」
「あっ謝らないでよ!それに顔あげて?ていうか、分かってたんだー…古関さんってあの先輩が好きなんだよね?」
「えっ…どうして…分かったの?」
あの先輩って、裕也のことだよね?
「見ればわかるよ、先輩といる時の顔…すっごく可愛いから……それを分かっていて誘っちゃうなんて、困らせちゃったよね?こっちこそごめん」
「ううん」
少しだけ静かな時間が流れる。
この静けさが少し怖い。
「あ、ほらもうすぐ花火上がるよ?戻らなきゃ」
そう草野くんが切り出す。
つい申し訳なさそうな顔になった私に、
「友達になって下さい」
そう言って笑う草野くん。
「うん」
ちゃんと笑って返事できてたかな?
なんて考えながらその場を離れた。