Secretな関係
すやすやと静かに寝息を立てながら隣で眠る彼女。
まぁ、朝早いしな…
ここは寝かせてやろう。
そう思い、肩を貸してやることにした。
そういえば、こいつの寝顔久しぶりにみたかも。
最近、ちゃんと起きるようになったし…
「ねー?見て?あそこのお兄さん、すっごくかっこよくない?」
「私も思ってた!かっこいいね」
小さな声だけど、この狭い電車の中聞こえないはずがない。
明らかに俺の方をみて話す彼女たちは、高校生らしい。
聞こえていないふりをしながら、肩に寄りかかるゆあに視線をうつす。
「隣の人は彼女さんなのかなー?」
「そうでしょ!寄りかかってねてるし!」
「そっかーやっぱりさ、イケメンの彼氏さんには可愛い彼女さんなんだね」
「だね〜いいなぁ…私もあんな風になりたい」
「分かる!」
可愛い…だってよ。
さっき歩いていたときに聞こえたゆあの独り言が頭の中をよぎる。
私は…って、何を心配してんだか。
次の駅で降りる彼女たちをふと見ると目が合ったので取り敢えずにこっと微笑んでおいた。