Secretな関係
「古関…さん?」
声がする方を向くと、谷本先輩が居た。
緊張でなかなか真っ直ぐ見ることができない。
「あっ、あの、急に呼び出してしまってすみません!その…私……谷本先輩が、好きなんです!」
告白がこんなに緊張するものだと思わなかった。
本当に、本当に好きで…
もっと考えていた言葉もあった。
けれど、頭が真っ白になって言葉が出てこない。
すごく勇気を振り絞った。
でも、谷本先輩は、
「ありがとう……でも、ごめん。俺、彼女居るんだ…」
そう少し申し訳なさそうに言った。
見えないように、スカートの裾をぎゅっと握り溢れそうになる涙を堪える。
「そ、そうですよね!先輩なら彼女居ますよね」
そう作り笑いを浮かべながら、軽い口調でそう言う。
どうして、そんなことが分からなかったのだろう?
私の頬を涙が流れる。
泣いちゃダメだって分かっているのに、困らせるだけだって分かっているのに、気持ちを抑えきれずどうしても涙が溢れてきてしまう。