Secretな関係
暗い外観。
お化け屋敷のもじ。
見つけた瞬間ぱっと視線を逸らし、別の方向へと歩き出そうとする。
「おーい?」
それに気づいた私の腕をつかみそう言う裕也。
「ん?あっち行かない?」
「仕返し」
そう言ってにっこりと笑う裕也。
「こっ怖くなんてないし!行く?よし、行こっか!」
強がりを見せた私を笑いながら、列に並ぶ裕也と私。
すいすいと進む列を恨む私。
ものの数分で私たちの番がきた。
ここのお化け屋敷は結構有名で、なんでも本当の霊が出るとか出ないとか?
「お二人ですねー?いってらっしゃーい」
お化け屋敷という場所に見合わず明るく声をかけられる。
入ったと同時にばたんっと大きな音を立て閉まる扉。
「ひっ」
びびり、つい裕也の腕にしがみついてしまう。
「扉しまっただけだろ?」
蔑む様な視線とともにそう言われる。
「びびってなんかないもん!」