Secretな関係




ついた銭湯は、古いところで、時間が遅かったせいか私たち以外にお客さんは居なかった。


広々としたところで大きなお風呂に浸かるのは気持ちよかった。


勉強に気を張り詰めていたのか、湯加減が丁度良いからか、体の底からじんわりと温まってくる。


たまには銭湯も良いかも



そう思いながら出ると、


「若い子が来てくれて嬉しい」


そう言って笑ってくれるお婆ちゃん。


「また来ます」


笑顔で答える私の手を取り、


「私行かないから皆んなで行ってきな」


「え?!良いんですか?」


私の手には温泉宿泊施設のチケットが4枚。


「銭湯やってるのにわざわざ遠くまで行くなんてねぇ」


そういうものなのかな…?


「ありがとうございます」


チケットをありがたく頂き、みんなのもとに戻る。
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