Secretな関係
「あ、すみません。あの、それは、あそこまで」
そう、業者の人に伝える。
荷物は全部業者さんが運んでくれるから楽だ。
「ありがとうございました」
そう玄関先で業者さんにお礼を言った。
業者さんは、また何かありましたら、ご連絡くださいと、そう言い、一礼して帰って行った。
「ふー。つかれたぁ」
「お前何もしてないじゃねーか」
「まぁ、そうですけど」
そう私がふてくされたように言うと、
「俺らこれから一緒に住むんだし、敬語やめにしない?」
家に入りながらそう裕也先輩に言われた。
私は少し考えてから、
「そうですね。じゃあ、これからはタメ口で?」
そう言うと、
「おう」
とだけ返事が帰ってきた。