Secretな関係



なんとか降ろしてもらった私は、恥ずかしくて少し赤らんだ頬を両手で覆い隠しながら荷物を取り宿泊施設を出た。


「もう絶対裕也の前ではうとうとしない!」


そう決意した直後、


「え~可愛かったよ~?」


と春奈が前のめりに行ってくる。

向い合わせに二人掛けに座ることができる電車のシートなので、私の横に裕也、目の前にはにやにやしている春奈、隣にはしゅんちゃんといった座り方のせいで春奈がぐいぐいとくる。


「もう!春奈まで!」


「電車ではお静かに!だよ!」


そう言われ、口を噤み目で訴える。


ふふふと笑いイタズラに成功した子どものように無邪気な表情を見せる春奈。


これは許すしかないよね…
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