Secretな関係




「あ、そうだ…あの…あの人って…」


私がさっきのお姉さんを見てそう言うと、ああ!と言って説明を始めてくれた。


「あの人はね、高岡美咲って言って、隣の家の人なんだ」


「美咲さん…」


名前を覚えようと復唱する私。


「あいつにさんは無いよ!」


「ええっ?」


「年上の威厳みたいなのが全くないじゃん」


「は〜?君よりは遥かに大人なんだけどね〜」


「うわっ」


すっと現れた美咲さんにお互い気づいていなかったので、私は話を止めることが出来なかった。


笑って逃げようとする谷本先輩の頭をぐりぐりと思う存分やった後、先輩の隣に座った。


「あれ、いいんですか?」


「ん?仕事?いいのいいの!空いてきたし」


そう言って笑い飛ばす美咲さん。

明るくて楽しそうな人だと思った。
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