Secretな関係



それから、産院で心拍の確認が取れたので、まずはお母さんに電話をすることにした。


「もしもし?どうしたの?」


「あ、お母さん?今ちょっといい?」


「うーん…今から撮りためてたドラマ観るので忙しくなる予定だけど…別にいいわよ?」


「何それ。すごい暇じゃん」


「暇じゃないわよ!」


「はいはい。で、ドラマ観るってことは家だよね?」


「そうよ?」


「あの、今から言うことに大声出したり腰抜かしたりしないでよ?」


「え、何もしかして離婚?」


「そんなわけないでしょ!もう…あのね?…赤ちゃん…できた」


「えっ……!!」


ぐっと声を堪えた様子が電話越しでも伝わってくる。


「本当?おめでとう。あら〜お父さん早く帰ってこないかしら〜あの人の驚く顔が見たいわ〜」


「ふふっまた夜に電話するよ」


「じゃあ、それまで黙ってようかしら」


「どっちでもいいよ」


「そう?あ、あちらのお母さんにはもう言ったの?」


「ううん、これから」


「そう、きっと喜ぶわよ!早く孫の顔が見たいねって最近会うたびに言ってたの」


「最近って本当につい最近でしょ」


「昨日よ」


仲良すぎでしょうよ…

まあ、でも本当こんなに明るい人から裕也が生まれたの?!ってくらいだから、私のお母さんと気があうのも分かる。
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