Secretな関係
泣いているうちに、私は誰も居なくなった教室で寝てしまっていた。
「おい」
そう声が聞こえた気がして、ゆっくり顔を上げると、そこには男の人がいた。
「そこの1年、早く教室から出てくれ」
少し気だるそうに聞こえた。
「へ?…すっすみません!」
私は急いで鞄を持ち廊下に出た。
この学校は、三年生が日替わりで戸締りをしている。
鍵を持っているから、たぶんこの人は三年の先輩で、今日が当番なのだろう。
「ひでー顔」
教室の鍵を閉めながら、私に向かってそう言った。