Secretな関係




「起こしてくれても良かったじゃない!」


そう言いながらバタバタと支度をする。


そんな姿を優しい笑顔で見つめてくる人が約一名。



「寝ながらすっげーニヤニヤしてたぞ」


っ!それは、あんたのせいでしょうが!


なんて、言えるわけがない。


どうして、あんな夢見たのよ…!


「ほれ、早くしろ」


「ん?裕也行かないの?」


いつもなら、同居してるなんて学校の人にはばれたくないから別々で行くのに…さっきの言い方じゃ私を待っているみたいじゃない。



「ん?自転車乗せてやろうかと思ったんだけど」


そう言いながら自転車の鍵についているストラップを手にかけくるくると回す。


裕也は自転車で、私は徒歩だから、かなり助かる…けれど、それで良いのかな?


「え、でも良いの?」


「良いの?って?」


「その…友達とかに噂されちゃうよ?」


「どんな風に?」


…どんな風にって


「恋人…とか…」


「良いよ。別に」


え?良いの?


「ほら、早く支度」


そう言われて、また手を動かし始めたから深くは考えられなかったけれど…良いよってどういうこと?
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