Secretな関係
春奈が教室から戻ってくることの無いまま、放課後になった。
HRが終わり、すぐに吉岡のところへ走る。
「先生!春奈は?」
「ん?あ、お前!」
うげ!ここで気づきます?
軽く睨まれた後、
「今日のことは大目に見ることにしたからな」
「へ?どうして…」
「お前の彼氏さんが、俺のとこへ来て謝ってきたからな。僕のせいだとかなんとか言って」
「うそ!」
全部私のせいなのに?というか、彼氏じゃないし!
「いや…まあ…」
吉岡がそう言いながら、こっちに耳を寄せろとジェスチャーする。
「まぁ、色々ときいてあるからな…なにか、困ったことあったら言えよ?いくら、あいつが真面目で生徒会長だからと言って男に変わりはないからな」
こそこそと言われ、私の頭にはてなが沢山浮かぶ。
「えっ、先生知ってたの?ってか、生徒会長⁈」
目を丸くして私がぎゃーぎゃーと騒ぐものだから、先生がうるさいと頭を叩く。
叩くと言っても決して痛くはない。
もう一度、私は先生に耳を寄せる。
「お前、俺がわざわざ小声で話してやったってのに…」
「す、すみません…」
「知っていた…というか、今日の朝お前の彼氏から聞いた。許嫁だって聞かされたときはもう…」
「先生!恥ずかしいからその話やめよ…」
すると、ははっと笑われた。
「というか、お前、彼氏が生徒会長だってこと知らなかったのか?」
「知らないよ!集会なんて…」
いつも寝てると言おうとして、やめた。
やっぱり、怖いんだもん。
「まぁ、相談ならいつでものってやるやらな」
「え、ありがとうございます」
なんだか、そう言われると、先生を嫌いでは無くなりそうだ。