Secretな関係
結構歩き、来たことのない住宅地にきた私たち。
綺麗なお家が並ぶ。
坂道に綺麗に並ぶ高級そうな住宅街。
「え、もしかしてこの辺りの何処かなの?」
「んー、多分?記憶があやふやになってきた…」
「ね、春奈ってお嬢様?」
「…かも」
すごい…というか…別世界に来た様だ。
「ど、どの家だろ…表札探す?」
そう聞くと、
「とりあえず、そうするか!…前田…前田……見つかる気がしねぇ」
と。まぁ、そうですよねぇ
絶対見つからないよ。
何しろ、土地が広い上に家が多い。
「ちょっと待って…電話したら良いんじゃない?」
そう、しゅんちゃんが言う。
「え、出るかな…」
そう言って電話をかけようとした時、後ろからふいに声がした。
「あれ?どうしたの?」
二人揃って後ろを振り向く。
そこには、財布を持った春奈がいた。
「春奈!出歩いていいの?」
春奈にかけよりそう言う。
「家に誰も居ないんだぁ」
「と、取り敢えず戻ろう!何か買いに行くんだったら私たちが行くから」
そう言うと、春奈は嬉しそうに笑い、ありがとうと少しかすれた声で言った。