Secretな関係



「あ、じゃあ見てくるね」


そう言って、部屋を出る。


キッチンまで行ったところで、声が聞こえてきた。


「…ゆあのこと……」


私の名前が聞こえて、つい耳をすましてしまう。



「やっぱり、好きなんですよね?」


この声は…しゅんちゃん?


「ははっだと思いました」


またしゅんちゃんの声。

どっちの意味で捉えて良いものかと困惑する。


「お前は?」


今度は裕也の声だ。


「今、寝込んでる子です」


声だけで少し照れているのが分かる。


「じゃあ、俺たち邪魔じゃん、これ出来上がったら俺とゆあ帰ろうか?」


「えっ!ってか、先輩が帰りたいだけですよね」


「ばれた?」


そう言い、笑い声が聞こえる。



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