Secretな関係
キッチンに、入っても良いのだろうか。
少し迷った挙句、何も聞いていないのを装い入った。
「うわ!いつから居た?」
入ってそうそうしゅんちゃんに聞かれる。
「いつからって今来たところだよ?」
そうはぐらかす私。
だって、もし、さっき話していた裕也が私のことをどう思っているかだとかそういうのがはっきりとするのが怖いから。
「じゃ、もう出来たし持って行くか」
そうしゅんちゃんが言うと鞄を持ち、玄関の方に向かう裕也。
「あ、ちょっと待って!」
道分からないし、同じ家に帰るのだから、一緒に帰りたい。
「しゅんちゃん!春奈のこと任せても良い?」
そう私が申し訳なさそうに言うと、
「いいよー!ってか、二人きりが良い!」
満面の笑みで返されたものだから、こっちが無ず痒くなる。
「変なことしたら、明日ぶっとばすからね」
そう睨みつけて言うと、
「んなことしません!」
とドヤ顔で言ってきた。
まぁ、しゅんちゃんが変なことしないのは分かってるけどね。
一見チャラそうに見えるけれど、それは好きでやってる服装だけ。
なんだかんだ言って入学してから春奈にずっと片想いしている。
春奈は、気づいていないようだけど。