Secretな関係
しゅんちゃんに春奈を任せ、私たちは春奈の家を出る。
二人で帰るのは初めてだ。
「あの、今日はありがとう」
風に吹かれ乱れた髪を耳にかけながらそう言う。
「おう」
夕日がどんどんと沈んでいく。
逆光のせいで、裕也の顔は、はっきり見えない。
「やっぱり裕也ってお料理上手だよね」
「まあな」
さっきから素っ気ない返事ばかり。
ならば、聞いてみようと思った。
前からずっと引っかかっていた。
自分の気持ちには、まだ、はっきりと気づいていないけれど…
「あのさ…あの時…中学校に行った時…私にキスしたのは…どうして?」
沈み切る前の夕日が私たちを照らす。
裕也の顔が夕日ではっきりと照らされ、
「それは、ゆあのことが好きだからだよ」
これまでに無いくらい優しい声でそう言った。
す…き…?