最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

果たして恭子さんはどんな反応を示すのか。期待と少しの不安でドキドキしながら彼女を見つめていたら、


「そう? ありがとう」


と恭子さんは即座に言い、ニッコリと微笑んだ。その笑顔はとびきり綺麗で可愛いけれども……

そんだけ?
恭子さんの反応って、それだけか?


俺が事前に予想した恭子さんの反応とは全く違っていた。俺の予想はこうだった。


『えっ? うそ? ほんとに? 嬉しい! 私もあなたが好きなの。でも、初めに恋愛抜きって言われたから、ずっと言えずにいたの。ああ川田君、大好き……』

と言って恭子さんは俺に抱きつき、二人は甘いキッスを交わすのだった……


みたいな?

予想と言うよりも期待だけども、それだけにちょっと拍子抜けしてしまった。


ま、恭子さんにはとっくにばれてたんだろうな。俺、わかりやすいから。


それより問題なのは次の質問だ。


「恭子さんはどうなのかな? つまり、俺の事をどう思ってるんですか?」


俺はそう言って、固唾を飲んで恭子さんの答えを待つ、つもりだったのだが……


「好きよ、もちろん」


そんな暇など微塵もないほどの早さで、即座に返事が返ってきた。

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