最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
またもや呆気なかったけれど、それは正に俺が期待した答えであり、もちろん嬉しかった。
「恭子さん!」
俺は思わず恭子さんの体を強く抱き締めた。
「よかった。実は俺、不安だったんです。恭子さんの気持ちがわからなくて……」
「バカね……。好きに決まってるじゃない」
「ですよね? ああ、本当に良かった……」
俺は恭子さんに口付けをし、そのまま畳の上に押し倒していったが、今夜はここでストップだ。それより先には進めない。ああ、残念だ。
その分長く、執拗なキスをしていたのだが、ふと気付くと恭子さんの目から涙が流れていた。
「恭子さん、どうして……?」
その涙の滴を指で拭いながら、俺は聞いてみた。
「わからない。嬉しくてかな?」
「そうですか?」
その割りには、恭子さんの表情が悲しそうに見えるのだが、それは気のせいだろうか……