最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

「恭子さんが寝言であの人の名前を呼ぶのを聞いたんです。3回も。夢を見てるんですよね? 中嶋さんの夢を……」

「そ、それは……」


やはりそうか。


「本当にここに来るの? ナカジマくんが?」

「はい。もうすぐ来るはずです」

「どうしてそんな事を……」

「告白してください」

「告白? 今さら?」

「今さらじゃないです。あの人に特定の彼女はいないそうです。だから、恭子さんの想いは叶うかもしれません」

「想いって言うけど、私は……」

「はい?」

「ううん、何でもない」


恭子さんは何かを言い掛けたようだが、何を言おうとしたんだろう。ま、いいか。


「恭子さん、もっと自分に自信を持ってください。あなたは、とても魅力的な人ですよ。綺麗だし可愛いし、俺はそんな恭子さんが……」


あ、やばい。涙が出てきた。

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