最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
川田君は私を家まで送ってくれると言ったけど、それでは意味がない。川田君が降りる駅で電車が停車すると、私は彼の手を引き一緒に電車を降りた。そして、彼の家で休ませてほしいとお願いをした。
まんまと彼のアパートへ行くと、私は毒舌キャラから一転してセックス慣れしたお姉さんキャラを演じた。それは人生初の大芝居で、内心はドキドキだった。
シャワーを浴びた後、私は全裸にバスタオルを巻いただけの姿になった。胸の傷が見えないように目いっぱいタオルを上にずらしたら、その分下の方は際どい事になってしまった。
とても恥ずかしい。でも、我慢してがんばらなくっちゃ!
川田君のベッドで横になっていると、シャワーを浴びた彼が来た。いよいよなのね……
「セックスしよ?」
何でもない事のように私は言った、つもり。もちろん内心はドキドキだった。
川田君は私の体を心配してダメだと言ったけど、私はお芝居をしてあの手この手で彼を誘惑する事に成功した。
彼は不満だったけど電気を全部消して部屋の中を真っ暗にしてもらった。胸の傷を彼に見られたくないからだ。
私が緊張していると、川田君がキスしてくれた。人生初のキス。でも、口を閉じていたら彼に怒られてしまった。キスは口を少し開いてするものだという事を私は知らなかったのだ。川田君は、私がふざけてそうしたと思ってくれて助かったけど。
改めてしたキスは、すごかった。
川田君の舌が私の口の中であばれて、私も夢中でそれに応えた。とても淫らで気持ちよくて、体の芯が熱くなるのを私は感じた。
そして激しいくらいの愛撫の後、私の中に川田君が入って来た。
とても痛かったけど、嬉しかった。最後の願いが叶えられ、私はもう、いつ死んでもいいと思った。