最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

本当の事……!?


それは当然恭子さんに関する事と思われ、俺は瞬時に胸騒ぎを覚え、体中の皮膚がざわめき立った。

お母さんはお父さんに向かって頷くと、ハアーと溜め息をついた。


「川田さん……」

「は、はい」

「恭子は、あなたには黙っててって言ったのだけど、今あの子が受けてる手術は……難しい方の手術なんです」

「…………えっ?」


難しい方の手術?

あっ。そう言えばお母さんから聞いた憶えがある。手術は2通りあって、今までと同じ比較的安全な手術と、根治を目指す難しい手術があるって……


俺は勝手に今までと同じ手術だと思い込んでいたのだが、違ったのか!?


「む、難しいって、どのくらい難しいんですか?」

「先生が言うには、まだあまり事例がないそうだけど、今のところ成功率は25パーセントぐらいだそうです」

「に、25パーセント……?」


つまり4回に1回しか成功せず、残り3回は……失敗!?


「もし失敗したら、恭子さんはどうなるんですか!?」

「それは……」


お母さんは下を向いてしまった。


「そんなのダメです! そんな手術、中止してもらいます!」


俺はそう叫んで立ち上がった。


ダメだダメだダメだー! 恭子さんが死んじゃう!

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