最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
*** 陽平Side ***


ハアー。何やってんだろう、俺。これじゃまるでストーカーじゃねえか。


俺はアパートを飛び出すと、その勢いでここまで来てしまった。恭子さんがいるはずの、同窓会の会場へ。と言っても中に入れるわけもなく、表の路地に佇み、ホカホカの缶コーヒーをチビチビ飲んだりして。惨めな事この上ない。


「あの、一人ですか?」


通り掛かった3人連れの女の子が俺に話し掛けてきた。


「はい?」

「よかったらアタシ達とカラオケ行きませんか?」

「俺、人を待ってるんで……」

「そんな事言わずに、行きましょうよ~」

「いや、マジなんで。わるいけど」


実はこれ、2回目。もし俺がヤバイ奴だったらどうすんだろうなあ、あの子たち。


こんな事してたって何にもなんねえから、帰るかな。と思うのだけど、足は動こうとしないんだよな、困った事に……


ハアー


今頃恭子さん、何してるんだろう。そろそろ一次会は終わるはずだが、二次会へは行くんだろうか……

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