最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
*** 恭子Side ***


ふと見ると中島君もみんなに囲まれ、楽しそうに談笑していた。相変わらず人気者なのね……


私は中島君を見ながら、内心でホッとしていた。と言うのは、私は今日まで不安だったから。もし中島君と再会し、昔のように胸がときめいたらどうしようって、心配していた。


でも、全然大丈夫だった。


やっぱり中島君と陽平君は雰囲気が似ているなと思った。それだけに、つい二人を比べてしまう。陽平君の方が背が高いな、とか。陽平君の笑顔の方がもっと素敵だな、とか。中島君には悪いのだけど。


ああ、何だか無性に陽平君に会いたくなっちゃった。実家じゃなくて、陽平君のアパートに帰ろうかな。うん、そうしようっと。


やがて一次会が終わり、みんなは二次会の打ち合わせをしていたけども、私はそっと抜け出すようにして会場を後にした。のだけども……


「五十嵐さん!」


表に出たところで、誰かに呼び止められてしまった。振り向けば、中島君だった。


「二次会、行かないの?」

「はい、すみませんけど……」

「そっか。じゃあ、ちょっと話さない?」

「あ、はい、いいですよ」

「なんかさ、みんなが邪魔で五十嵐さんとちっとも話せなくて、何のための同窓会かわからなかったよ」

「えっ?」


なんか、今の中島君の発言、おかしくない?


「俺さ、君に会いたくて企画したんだよ。同窓会」

「はあ?」

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