最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
*** 恭子Side ***


「高校を卒業してから、ずっと君の事が気になってたんだ。どうして声を掛けなかったんだろうって、すごく後悔した。あ、誤解しないでよ? 今の君が綺麗だから言ってるんじゃないんだ。俺は自分でも気付かなかったけど、君の事を、ずっと……」

「待って。そんな事言われても困ります」


まさかの中島君からの告白に驚いたけど、もちろん私は受けるわけには行かないわけで……


「どうして? 結婚はしてないんだよね?」

「うん。でも……」

「だったらいいじゃないか」


“もうすぐするの”って言おうとしたのに言えなかった。


「俺たち、付き合おう?」

「できません! 私、彼氏がいるから」


はあ。言えた……。これで中島君は諦めてくれるだろう、と思ったのだけど……


「…………嘘だろ?」

「う、嘘じゃないです」

「だったら、その彼氏に電話してみてよ」

「い、今ですか?」

「そう」

「いいですよ。ちょうど電話しようと思ってたところだから」


何だか変な事になっちゃったけど、それで中島君が納得するならしょうがないかな。


そう思って私はバッグから携帯を取り出し、陽平君に電話を掛けた。それにしても今の中島君って、強引で嫌な感じ。かなり幻滅だわ……

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