最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
*** 恭子Side ***


「中島君……?」

「よくもまあ、俺の前でイチャイチャと……」


イチャイチャって、そうなのかなあ。そんな事より、中島君の目が怖い。あの正義感の強い、爽やかな中島君のイメージが、壊れていく……


「そいつと同棲してるのかよ?」

「そ、そういうわけでは……。“半同棲”って感じかしら」

「同じだろ!」


ひいー。怖い……


「ったく、女って奴はどいつもこいつも……」

「はい?」

「付き合ってた女に、浮気されたんだ」

「そ、そうなんですか。それはお気の毒に……」

「うるさい!」


ひゃっ。


「他の奴が来るから、行くぞ!」

「い、行くって、どこへ……?」

「ホテルだよ。そいつに抱かれる前に、俺にもやらせろ。学生の時に優しくしてやったんだ。1回ぐらいいいだろ?」

「いいわけないでしょ!」

「黙れ!」


私はもちろん抵抗したのだけど、中島君の力には適うはずもなく、腕をグイッと掴まれ、引かれながら狭い路地に入って行った。


陽平君、助けて……

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