最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

「バカなこと言わないで。陽平君は確かに私達より4つ下だけど、男らしいし、しっかり私をリードしてくれるし、何より私はこの子から生きる希望をもらったわ。言ってみれば命の恩人よ」


ありがとう、恭子さん。でも、できれば“この子”じゃなくて“この人”って言ってほしかったかなあ。なんだか子ども扱いされてるみたいっす。


「お、俺だって、君の傍にいたらそれぐらいの事はしたさ」


ほお……、言うねえ。この人。


「確かにそうかもしれません。恭子さんは魅力的ですからね。誰でも守ってあげたいと思うでしょうね」

「陽平君……?」

「でも、あなたはいなかった。大事な時に、あなたは恭子さんの傍にいなかった。その代わり、俺がいた。その差ですよね?」

「む、ん……」

「恭子さんはあなたを5年もの間、想っていました」

「えっ?」


えっ? って、こっちこそ、えっ?


「な、何を言ってるのよ、もう……バカ」


あちゃー。恭子さんは言ってなかったのかあ。

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