最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「俺が支えますから、恭子さんも俺に掴まってください」
俺がそう言うと、恭子さんは一瞬躊躇したようだが、おずおずと左手を俺の背中に回してくれた。
「ゆっくり上がりましょう?」
と俺が言うと、恭子さんは小さく頷き、俺は利き腕の右手に力を入れ、恭子さんの体を引き上げるようにして階段を一段上がってみた。
うん、これなら行けそうだな。恭子さんがもっと小柄だったら、彼女をひょいと抱き上げるところだが、170センチもあるとそうは行かない。でも、これなら恭子さん自身は殆ど力を使わずに階段を上がって行けるはずだ。
そうやってなんとか階段を上がり切った所で恭子さんの顔を見たら、すっかり血の気が引き、オデコには小さな汗の玉が浮いていた。
「貧血ですか?」
俺の乏しい医療関係の知識が出した答えはそれぐらいだった。恭子さんは一瞬の間を置いてだが頷いたので、どうやら当たりだったらしい。
手を放すと恭子さんはくず折れてしまいそうで、俺は恭子さんの肩をしっかりと掴み、恭子さんも俺の背中に手を回したままでいた。
こんな時になんだけど、俺は自分の脇腹に触れる恭子さんのバストが気になってならなかった。恭子さんって、ちょっと巨乳かもしんない。