最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「シャワーですか? それよりもすぐ横になった方がいいと思いますよ?」
「だいぶ落ち着いたから大丈夫よ。あなたのおかげで……」
そう言って俺を見つめる恭子さんの顔は、いくぶん血の気が戻り、頬の辺りはむしろほんのり赤く見えた。確かにだいぶ良くなったようだ。
「お願い……」
ああ、俺は恭子さんのこの“お願い”という言葉に弱いかもしんない。
「わかりました」
俺は手早くシーツを敷き終え、恭子さんをバスルームに案内した。
「シャワーはここをこうしてこうやって、石鹸とかはすみませんが男物しかないです」
「うん、大丈夫」
「タオルはそこのを好きなだけ使ってください」
「“好きなだけ”って……うふふ」
あ、恭子さんが笑った……
恭子さんが笑ったのって、初めて見た。なんか、ちょっと……可愛いかも。