最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「お、俺はまだいいです。それより、何か冷たい飲み物を……」
と言い、再度冷蔵庫の扉を開けようと体を引いたら、背中が恭子さんのどこかに当たってしまい、ぶにょっとした。いや、どこかじゃなく、恭子さんの豊満な胸だ。間違いない。
「す、すみません!」
「飲み物は適当に自分で出して飲むから、あなたもシャワー浴びて来て」
「いや、しかし……」
「お願い……」
出たよ。恭子さんの“お願い”が。俺はこれに弱いんだよなあ。
「わ、わかりました。よかったら缶ビールがよく冷えてると思いますので……」
「はーい」
“はーい”?
なんか恭子さん、可愛いんですけども!
俺は恭子さんを見ないように彼女に背を向けながら立ち位置を入れ替え、バスルームへ向かって歩いて行った。しかし、チラッとでいいから見てみたい、という強い欲求に負け、立ち止まるとそーっと後ろを振り向いてしまった。
すると恭子さんは、冷蔵庫の扉に手を掛け、前屈みになってその中を覗いていた。そのせいでバスタオルの裾が少し上がり、俺は見てしまった。いや、見えてしまった。本来は見てはいけないであろう、恭子さんのある場所、っていうか部位を……!