最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
でも、あれ?
何か変だな。さっき俺の下半身を見たって恭子さんは言ったけど……
「ところで、いつ見たんですか? 俺の下半身を……」
「え? あなたがこの部屋の入り口で私を見た時よ。私、寝てるふりして薄目を開けて見てたの」
「ああ、そうですか。でも、よく見えましたね? 眼鏡掛けてないのに」
「眼鏡はね……素通しだから」
「素通し?」
って事は、ただのガラスか?
「そう。伊達眼鏡」
「なんでまた……?」
あんな黒縁の野暮ったい眼鏡じゃ、“伊達”になってないと思うけどなあ。
「そんなのどうでもいいでしょ? そんな事よりセックスするの? しないの? どっち?」
「えっと、します!」
という事で、俺はあっさりと欲望に負けてしまった。