最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
地味女の変化

休みの間、俺はずっと恭子さんの事を考えていた。


今頃恭子さんは何をして、何を考えているんだろう。少しは俺の事を考えてくれているだろうか。怒っているだろうか。軽蔑しているだろうか。それとも、少しは想ってくれているだろうか……

あるいは、中嶋さんを想っているのかも。


二日間ともずっと雨だった。シトシトと、秋の長雨というやつだ。まるで俺の気持ちを表すかのように、陰鬱で、どんよりとした天気だった。


しかし週が明けると、今度は一転して秋晴れの良い天気だった。暑くもなく、寒くもなく、清々しい朝。

ようやく恭子さんに会えると思うと、自然と心も弾む。怒られてもいい。その時はひたすらに謝るだけだ。


会社に着いた俺は、パソコンを立ち上げると真っ先にメールを書き始めた。もちろん恭子さん宛だ。

会いたいと書こう。夜か? いや夜まで待てない。では今すぐか? いやいや、それでは迷惑だろう。
うん、昼だな。昼飯に誘おう。そう決めた時、メール着信を告げるポッポアップが表示された。


ふとそれに目をやると、なんと恭子さんからのメールだった。

< 70 / 191 >

この作品をシェア

pagetop