最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
レストランにはものの2~3分で着いた。そして、俺と恭子さんは窓際のテーブルに案内され、向かい合わせに座った。
窓からは、青く澄み渡った空と黄色く色付いた街路樹が見え、しかし柵があるから通行人に見られる事はなく、めちゃくちゃいい雰囲気の席だ。ウェイトレスさん、グッジョブ!
「ここにはよく来るの?」
「いいえ、2回目です。恭子さんは初めてですか?」
「うん。いいお店ね?」
「でしょ? 夜来てもいいかもですね?」
「ああ、確かにそうね」
夜は高いけどね。ランチなら田上に奢った餃子セットの2倍程度で食えるが、夜となると全然違う。そうおいそれとは来れない店だ。
そう言えば、1回目は主任に連れて来てもらったんだよなあ。それも夜に。全部奢ってもらったけど、主任はさぞや散財だったろうなあ……
恭子さんはランチのビーフストロガノフをオーダーし、俺は同じくサイコロステーキをオーダーした。そして、ウェイトレスさんがいなくなると……
「ごめんなさい!」
「すみませんでした!」
俺達はほぼ同時に謝り、二人して頭を下げていた。