星の雫~超極秘のお姫様~
―ソウside―




朝食を食べ終わった頃、シオが険しい顔で駆けてきた。


「ソウ。問題発生です。執務室に来てください。
ヒルゥには、ついさっき言ったところです。」


「了解。」



短く答え、シオと共に執務室へ急ぐ。


問題、とはリアのことだろう。

走りつつも、隣のシオを見る。


そして驚いた。

こんなに焦ったようなシオを見るのは、初めてだ。


よほどのことが起こったのだろう。

そしておそらくそれは、リアがらみ。


だいたい、俺らが必死なる物事など、ほとんどがリアがらみだからだ。



漠然とだが、嫌な予感がする。



シオの強張った横顔から、前方へと視線を戻せば、目の前は執務室のドアだった。


いつの間にか、ここまで来ていたらしい。



シオはスルリとドアを開ける。


シオの動作は、いつも品がある。丁寧さのようなものを感じるのだ。

それはシオの精神状態がどのような時でも、変わらないらしい。



そんなどうでもいいことを思い、気を紛らわせながら執務室へと足を踏み入れた。


そして、執務室をパタパタと飛んでいるコウモリを認識し、思わず目を見開いた。






< 110 / 229 >

この作品をシェア

pagetop