星の雫~超極秘のお姫様~
第2章
旅の始まり
びゅうびゅう風が吹く。
マントがパタパタとはためいた。
空は、青くて、どこまでも広かった―――。
広い空の下。
緑溢れる山の遥か上空。
白銀の固い艶やかな鱗(ウロコ)に触れながら、あたしは、見つめていた。
今までいた、大きなお城を・・・・・・。
白くてくすんでいる、存在感のないお城だったのだと、初めて気付いた。
寂しそうな、生き物を拒否するような容貌のお城だったんだ。
「エリザベス、あの3人はどうした?」
《あの3人って、シオ、ソウ、ヒルゥのことかしら?》
「そうそう。どうしたんだよ?」
レオとエリザベスの会話に、あたしはハッとする。
そうだよ!お城のことより、皆のことだよ!
今、あたしはエリザベスに乗って、飛んでいるわけだけど・・・
皆はここにはいない。
・・・・・・じゃあ、一体どこに?
あたしも、エリザベスの次の言葉に耳を澄ました。
《レイツェが乗せていったんだと思うわ。》
・・・・・・れいつぇ?
誰だソレ。
「あー、あいつかぁ~」
どうやら、レオは知ってるみたい・・・って、パートナーなんだから当然か。