星の雫~超極秘のお姫様~
だから、だから。
何かあったんなら、頼ってよ。

そう思いを込めてソウを見つめれば、ソウの顔が、くしゃりと歪んだ。


気のせい、かな・・・。
さっきより、もっと、辛そうに見える。

けど、ソウは、あたしの頭をぽんぽん撫でて、すぐに微笑んだ。


「リア、心配するな。なんでもないから。」


「・・・・・・そ、っか・・・」


嘘。
ソウの、嘘つき。

そんな苦し紛れの、ニセモノの笑顔で、騙せるとでも思ってんの?


でも・・・でも・・・・・・・


「じゃ、早く行こうよ!」

あたしは満面の笑みを浮かべた。


・・・ソウは、言いたくないんでしょ?
だったら、聞かないから。無理に、聞いたりしないから。

けど、言いたくなったら、いつでも言いなよ?
ちゃんと、聞いてあげるから。


――だから、伝われ。

あたしは念じるように、ソウの手を、強く強く握った。



「そうですね、早く行きましょう。」

シオが、微笑んであたしに同意した。


シオも、きっと、気付いてるんだと思う。
ソウの苦しい表情に。

でも・・・心なしか、シオの顔も暗いような・・・・・・?


何か、あったのかな・・・。
あたし以外の2人がこんな表情するなんて・・・。

あたしが気付いていない間に、何か・・・?


「そうだね!早く行こー!!!」

・・・ヒルゥ。
さっきまでの威勢はどこいったの?なんで、そんな、空元気出すの?



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